痩せた健康な体を取り戻したい!学会発表で取り上げた高齢者向けのトレーニング事例紹介!

こんにちは!トレーナーのタクヤです。
みなさん今年の夏はどのように過ごす予定でしょうか。

最近は高齢者の方から
「年齢の影響から、メタボリックシンドロームを患ってしまった体は運動してもまったく痩せられない」
「現在の太った体では、脳梗塞や心筋梗塞といったリスクも隣り合わせ。健康な体を取り戻して長生きしたい」

という思いでMEDiGYMでトレーニングを検討される方の声を多く耳にします。

その中でやはり多く寄せられるご質問・ご相談は
「普通のジムと比べてMEDiGYMはどのようにトレーニングが違うのか」
「医療の知見をどのようにトレーニングに活かすのか」
「実際のトレーニングの流れはどのようなものか」

といった、MEDiGYMでのトレーニングについての具体的な質問を聞かれることが多いです。

そこで今回は、
先日、私どもが第15回日本予防医学会学術総会で発表した、高齢者の方に対して行ったMEDiGYMでのトレーニング成果の内容をわかりやすくまとめました。

体組成と血液検査を指標とした、MEDiGYM独自のトレーニングが、
高齢者のダイエットに効果的な可能性があることを示唆した発表です。

背景

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近年、高齢化社会の進行に伴い高齢者の筋力トレーニングの重要性が広く認識されつつあるのはご存知かと思われます。
こちらのグラフをご覧になるとわかる通り、20代から30代をピークに筋肉量が減少し、10年ごとに最大10%の筋肉が減少していきます。

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しかし、高齢者になればなるほど、高血圧症や脳血管障害といった疾患を持つ割合の方々は増えており、
多くのトレーニング施設で行われる画一的なプログラムでは、
健康状態によっては発作や事故を招きかねない
というのが現状です。

そこで、当MEDiGYMで提供する高齢者に対する独自のメディカル
パーソナルトレーニングの有用性について、評価検討を行った内容をご紹介いたします。

メディカルパーソナルトレーニング

まず当MEDiGYMで提供する、
メディカルパーソナルトレーニング(Medical Personal Training(MPT))の説明をさせていただきます。

MPTは3つの段階で実施され、

①メディカルチェック

②専門家チームによる個人プログラムの作成

③パーソナルトレーニング

という流れで実施いたします。
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まずはじめに血液検査、尿検査、腹部骨盤MRI、X線検査を行い、クライアントの現状を把握し、(①)
その結果で問題が無ければ、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士をはじめとした専門家チームによりプログラムが作成されます。(②)
ここで何らかの問題があれば、治療を優先したり、または治療と並行して行う方もいらっしゃいます。

その後、プログラムに沿ってトレーニングや食事制限を行なっていきます。(③)

高齢者の方の場合、疾病の罹患率が高い為、プログラム作成前のメディカルチェックは最も重要になります。

トレーニング内容

メディカルチェックの結果を元に、高強度・高負荷になりすぎず、安全に行なえるトレーニング内容を医師・理学療法士・トレーナーとで検討していきます。

大きく、トレーニングは食事療法運動療法の2種類に分けられます。

まず食事療法では、特に水分の摂取量や、病気の治療や予防の為の食事内容、カロリーのコントロールに注意します。
LINEでトレーナーとコミュニケーションを取り、食事管理についてアドバイスと指導を行いました。

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運動療法では、高齢者の方々に対しては、
加齢に伴う関節の痛みや既往歴、現病歴を考えながら無理のない範囲での
運動を考慮してトレーニングプランを作成
し、日常の身体能力を向上をさせ、
日々の暮らしをより豊かにするように試みます。

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具体的な症例を示したいと思います。
65歳男性、お子さんが小さく、長生きをしたいと入会されました、糖尿病と高血圧をお持ちの方です。

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メディカルチェックの結果を元に、以下のことに着目したトレーニングを実施しました。

・股関節、肩関節の可動域が狭く、行える動作が限られていた為、トレーニング前には必ず動的ストレッチ
・痛みの出る腰や膝を考慮した、低負荷で回数の多いトレーニング
・高血圧の為、力み過ぎるようなトレーニングは避け、脂肪燃焼を狙った有酸素運動
・急激に心拍数を上げてしまうとに心臓に負担がかかる為、心拍数を計りながらインターバルを長めにトレーニング

このように、メディカルチェックの結果をもとに、最適なトレーニングプランを作成いたしました。

トレーニング結果

メディカルパーソナルトレーニングを65歳以上の男女7名を対象とし、90日間実施した結果を測定しました。

先ほどの男性の事例では、90日間のトレーニング後に体重がマイナス6.8kg、体脂肪率が5.8%減少し、そのうち脂肪量が5.7kg減少しました。
MRI画像でもわかるとおり、内蔵脂肪・皮下脂肪ともに顕著に減少しています。

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血液検査に関しては、中性脂肪や肝機能の数値が改善され、
また一番の悩みであったグルコース・HbA1cにおいても数値が改善されました。

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またただ痩せて数値が良くなっただけではなく、

日常生活で息切れをしなくなった、
腰膝の痛みが軽減された、
身体能力レベルが上がった

と自覚されておりました。

対象者7名の結果をまとめ、トレーニングプログラム開始前と、終了後に体組成計と血液検査を行い、それぞれの有意差検定を行いました。

対象者7人において統計的にみても、体重・脂肪量・体脂肪率において、有意に差が認められ、
また、血液検査の結果より、中性脂肪や肝機能の数値は低下し、HbA1cにも有意に差が認められました。

以上より、対象者の体重・体脂肪量・体脂肪率・中性脂肪やGDPにおいて有意に差が認められました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか!
高齢者の方向けのメディカルパーソナルトレーニングによって
健康で安全なトレーニングで、痩せるだけではなく、より健康な体に仕上げることができたと思います。

先ほどご紹介した男性が、90日間のプログラム終了時のインタビューで次の様な話をして下さいました。

『メディカルパーソナルトレーニングによって、1対1で向き合うことで親身になって
食事やトレーニングメニューを考えてくれたので、ストレスを感じることなく、
90日間のプログラムをやり遂げることが出来ました』

メディカルパーソナルトレーニングは、トレーナーとクライアントの良好な関係で
よりよいプログラムを提供する事に繋がります。

トレーナーがトレーニングを精神誠意サポートし、
クライアントはその期待に応えたいというモチベーションが生まれ、
その相互作用があってこそよりよい成果を生み出せたことを振りかえる、
僕個人としても非常に有意義な発表でした。

今後も大学と連携して学術的発表や論文作成などのエビデンス発信をどんどん行って参ります!

以上、タクヤでした!

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